同期♂と私、ときどき熊♂

「いって!!」


切った軸足のすねから、少しずつ血が滲んできた。


ジャージの裾ゴム入りの長ズボンだったが、動くと上がり、下の方から血が見えてくる。


傷は浅かったが、足首の方まで切っていた。


動いたので血の巡りがよくなっているのか。


客から見えないように確認しようとはぐったが、この人数だ。


「ちょっとあなた!!怪我してるじゃない!?」


母に見られてしまった。


「無理しないでくださいよ?」


心配そうに見る鹿目。


「…投げ出すわけにいかねえ」


顔色が悪くなり、かなり辛そうだ。


と、


「彪賀さん!!メカトラブルです!!」


「えっ…」


いっそ気を利かせてメカを止め、中断させようかとも思った上司が、

本当に稼働中のレーンのトラブルに引っ掛かってしまった。


2つ奥の、安在夫妻のレーンだった。

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