モノクロの世界で
「ほんとに部活入んないのー?」
「…えぇ…面倒…だし」
私がそう答えると名城くんは『そっか』と小さく答えた。

実際、もし私が部活に入ったら他の部員の人達の迷惑にもなると思うし。

「…スーパーの特売にも間に合わなくなる…」
ぼそっとそう呟くと、名城くんが『ん?』と聞いてきたから、独り言だと返しておいた。

―私の父は仕事柄家に居ないことが多い。
兄は学校が終わるのが遅いし。
だから必然的に家事は私がやることが多くなる。
二人ともその事に関して『申し訳ない』といつも謝るが、好きでやってることだから、全く苦にならない。
お兄が出来るだけ早く学校から帰ってくるようにしてくれてるのは分かってるし、父も休みの日には出来るだけ家に居てくれる。
それだけで十分なのだ。

さて今日の夕飯は何にしようかな等と考えていると
< 34 / 48 >

この作品をシェア

pagetop