続★俺だけの家政婦さん
「俺の執筆を邪魔したかっただけ・・・だろ?」

「ピンポーン」

「ピンポーンじゃねーよ!毎回毎回、懲りもせず、俺の執筆の邪魔するんだよな」

野末くんの冷ややかな声が玄関に響く。

「え?毎回?」

「あはは、ごめんごめん」

謝っている割に全く反省の色などこれっぽっちも見えない。

「あははじゃねーよ。いたずらするのは慣れてるけど、栞里をだしに使うんじゃねーよ」

あ~~私ってダシだったのね・・・

須藤先生は私に「ダシだなんて・・・そんなことないからね」と

フォローするが、もう振り回されている時点でもうどうでもいい。

っていうかこの場から離れたい。

「で?野島っちの今回の率直な感想は?」

須藤先生が自信ありげな目で野末くんを見ると

野末くんは「あ?あれね・・・短編にしてはよく書けてるけど・・・

2ヶ月後楽しみにしてな。今度は俺がお前に1冊プレゼントするよ」

自身に満ちあふれた野末くんの表情を見た須藤先生は

何だかとても嬉しそう。

まさか・・・やっぱり須藤先生って野末くんのことが好きなの?

だって結局、こんな手の込んだ小細工も全て野末くんのためなんでしょ?

そう思ったら聞きたくてうずうずしてしまう。

そんな私の気持ちを察したのか

須藤先生が私に「どうかした?」と声をかけてきたが

「お前変な事想像してんじゃねーだろな」と野末くんに

質問を阻止された。

ちっ!本当は好きかもしれないのにさ~~

と思いながらも

「別に~」と言いながら明後日の方向を見た。

須藤先生はそんな私と野末くんのやりとりを

じっと見ていた。

「でも、このいたずらもこれが最後かもしれないな」

と須藤先生が意味深な言葉を呟くと

野末くんはその意味がわかっているかのように

「そうだな。もう須藤の相手もしてやれねーから」と返事をした。

二人の会話の意図が見えない私はただぼーっと聞いているしかなかった。

< 147 / 181 >

この作品をシェア

pagetop