続★俺だけの家政婦さん
「ふふっ」

「ん?ふふっ…ってこの状況で笑顔って、栞里すげー余裕あんのな。
俺なんか今まで我慢してたものがすべて出ちゃうんじゃないかって
正直余裕なんかないぞ!」

私を見下ろす野末くんは顔を赤くさせ少し不貞腐れているのか

口を尖らせていた。

「ううん。余裕なんか全くないよ。だって私にとって野末君が
初めての人なんだもん」

「え?」

「本気で好きになったのも、本気で嫌いになったのも…初めてキスしたのも
初めて…私の肌に触れたのも…どれも野末くんが初めての人。だから余裕なんて
全くないけど…初めての人が野末くんでよかったって思ったらうれしかったの」

野末君が私の両手に自分の手を重ねるとぐっと顔を近づけ

チュッと音を立てキスをした。

「なんだよそれ!そんなこと言ったら俺…栞里にやさしくできる
自信がない」

「え?」

でも驚く私を見る野末君の目はとてもやさしかった。そして

「栞里の初めては全部俺がもらう。デートも旅行も、昼寝だって散歩だって

この先の人生の全て、栞里の初めての全部は俺と一緒だから。

俺のそばにずっと一緒にいてくれ」と言って私を強く抱きしめ、私は

初めて大好きな人に身も心も全て捧げた。

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