続★俺だけの家政婦さん

「今執筆している作品の中に家政婦が出てくるらしくて取材も
兼ねて住み込みでお願いしたいって言われてね」

ちょっと何それ！めちゃくちゃいいじゃん。

「やる！私やります！」

「栞里？」

不安そうな表情は所長の顔ではなく母の顔になっていた。

「ちなみにその依頼主の名前ってだれ？」

ミステリー作家？それともラノベ作家？いやいや文芸作家？

興奮気味に問いかけると所長から思いがけない名前が告げられた。

「野島景さん」

うそ～～～～！

ちょっとど、どうしよう。

この世で一番会いたかった人だよ。

「やる！やるやる。所長、この依頼ぜーったいに引き受けてね。
顔合わせなんてしなくていいよ。私どんな人かわかってるから。
顔合わせで向こうからＮＧ出されたらいやだから、自分の娘だから
って言ってくれていいから絶対に引き受けてね」

この時の私は野島景に会える。野島景の作る作品に自分が


役に立てる、間近で執筆作業をみることが出来る事に


興奮していたが、顔合わせをしなかった事を１週間後

後悔することになるとは思いもしなかった。