あなたの愛に深く溺れてしまいたい
「あの、私って必要でしたか…?」


助手席に乗り込み、発進したところで隣で優雅に運転する男に問いかけてみた。


どう考えたって、私はいらなかったはずなのに。


「いらなかったな」

「………」


この男は、人をイラつかせるのが得意なのだろうか。


「お前、10年事務なんだろ」

「っ、だから!何度も10年連呼しないでください!」

「うちの会社に入ってショールーム入ったことがないなんて、おかしいだろ」

「……そうですか?」


10年を連呼され、イラっとしたけどショールームに入ったことがないのはおかしいと指摘され、私は普通に返事をしてしまった。


「何のために働いてんだよ」

「何のため、って…。ただ生きてくためですかね」

「そう」


別にこの仕事がしたくて入社したわけじゃないし。


たまたま募集をかけていたから、面接を受けて、そしたら運良く受かっただけだし。


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