あなたの愛に深く溺れてしまいたい
「春野」

「あ、はい」


ファイリングをしていた私に、柴咲課長から声がかかり急いでデスク前に向かった。


「これ、コピー」

「はい」

「それとコレに関する資料、頼む」

「はい」


柴咲課長からコピーする原本と、頼まれた資料のメモ書きを受け取った。


資料室は廊下を出て隣の部屋にある。


もう10年も扱っているから、資料探しなんか朝飯前。


ぱっぱと見つけて資料を取り出すと、また廊下を出て戻る。


コピー機に原本をセットして、メモ書きに書かれてた枚数をコピーすると資料と一緒に柴咲課長に差し出した。


「お待たせしました」

「あぁ、悪いな」


柴咲課長は私の顔を見ることなく、それらを受け取った。


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