理想は、朝起きたら隣に。


「ねー、美春何してんの? すっごいイケメンきたよ」

「お願い、名前呼ばないで」

「あの人だけ、足の長さの比率ヤバくない?」
「海外帰りってさ、出世コースじゃん」

皆がわいわいと慶斗の噂をするので両手で耳を塞いでしまった。

胃が痛い。胃じゃないかも。息が出来ない。

私は今、会いたくなかったとか何で今さらとか、色んな事を思いつつも自分がこの五年間、全く気持ちが整理できていないのだと気づかされた。

――怖い。

今、慶斗は私をどんな顔で見るのか怖い。

「就職してそのまま海外だもんな」

「……」
「美春? 大丈夫?」
「向こうにパウダールームあるから行こう」

「ごめん。一人で大丈夫だから」
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