部長の溺愛に困惑しています。
そっか…盲点だった。

次からはちゃんと鍵かけなきゃ…




気をつけようと思いながらロッカーを締めると、

髪を後ろに流して薄ピンク色のバンダナを付ける。


鏡で見なくてもダサいのがわかる…





「…見事にサクラだね」

「サクラ?」


テーブルに肘を付いてクスッと笑う岡田さんに、私に首を傾げた。





「うちの会社では君みたいな雑用係のこを“サクラ”っていうんだよ。ほらその制服…服はベージュでバンダナはピンク色。桜の木みたいだろ?」

「…」


そんな事言われても返す言葉がない。


桜の木だろうがなんだろうが、ようは格好悪いということには変わりないのだから…


これからは仕事をしていたら、私を見た社員達にあだ名で呼ばれながら指さされるんだろうな…


今の岡田さんの言葉は、

それを先読みして言っているみたいにも聞こえた。






コンコン


すると部屋のドアを叩く音がして、岡田さんが椅子から立ち上がると「はい」と返事をした。
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