「ただ、隣に居たいだけ。」

直人を置いていったことも忘れて
自分の部屋に入るなり座り込んだ。


____見たくなかった。

____妹が幸せなら嬉しいはず

____なのに、俺は

____おめでとう、って言えない。

____言いたくない、笑えない。


目を瞑って思い出したのは
〝手を繋いでいる今日の二人の姿〟

____なんで

____なんで、あいつなんだよ。

____なんで、俺じゃな……

そこまで思って気付いた自分の気持ち。


〝ヤキモチ〟


「ははっ……」

苦しそうに笑った瞬間、ポタっと涙が一粒こぼれ落ちた。
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