「ただ、隣に居たいだけ。」

〝何もしたくない___〟

家に帰ってからは、気が抜けたかのようにリビングのソファに座り込んだ。


「ただいまーっと、あれ…?」

電気もテレビもつけずに
一点を見つめて、ぼーっとしていた。

「翔ちゃんー? どうしたの?」

〝ご飯なにもないよー?〟と騒いでる未空を見て、はっ!?とした。


「ごめんっ! 飯の当番、わすれ……!」

言い終わる前に、気付いた買い物袋。

「今日は、私が作るから。」と台所に立って慣れた手つきで料理をし始める。


「……ごめん。」

手伝おうとすると、逆に邪魔になりそうな気がして呟くように言って、〝しゅん〟っと小さくなった。

< 21 / 36 >

この作品をシェア

pagetop