「ただ、隣に居たいだけ。」

子供のような〝嫉妬〟と
カレシのいる未空への〝切なさ〟で
気が狂いそうになっていた。

気付いたら〝キス〟してた。


「……ご、ごめんっ!」

ぱっ、と離れて、逃げるように階段を上り、自分の部屋の扉を激しく閉めた。

ぺたんっ、とその場に座り込み
唇に手を当ててみる。

身体全部が〝心臓〟になったみたいに
〝ドキドキ〟と鼓動が早い。

体温が上昇していくのが分かる。


___〝兄妹〟という壁は、思いの外、厚くて、でも壊したかった。

兄妹としてじゃない〝好き〟は、キスしたことにより、きっと伝わってる__……

〝兄〟じゃなくて
〝一人の男〟として見てほしい、という想いの壁は、きっと壊れた__。


でも、未空は………?

そう考えたとき、望んでいたことが叶ったはず__なのに、後悔が押し寄せてきた。

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