「ただ、隣に居たいだけ。」
【ずっと隣に居てほしい】

「ずっと一緒に居てくれる?」

「ずっと〝隣〟に居てねっっ!」

___信じたいのに、信じられなくて弱々しい声で聞く俺に微笑みながら言った。

___力強い〝はっきり〟とした声で。


「頼まれても離れてやんねーよっっ!」

未空の言葉を聞いて
微笑みながら、同じく力強く言った。


さっきまで泣いてたのに……
重たい空気が流れてたのに……


〝離れない〟という言葉を聞いて、どちらからともなく笑いだした。

未空は、居なくならない_____。

お互いが〝大事〟に思ってれば
お互いを〝想い〟合ってれば
居なくなんてならないんだということに気付かせてくれたのは未空だった。


「もうひとつだけ聞いてもいい?」

「うん、なに?」

今なら〝素直に〟なれる気がする。

「学校嫌い、なのに何で先生になったの?」

不思議そうに首を傾げて〝じっ〟と見つめてくる。


「学校、やり直したかったから。それに…」


「それに?」言葉に詰まり、なかなか続きを言わない様子の俺に、しつこいぐらいに聞いてくる未空に観念した。


「ここなら、未空も居るから。」

「じゃ、これからずっと一緒だね!」

ぱっ、と一瞬、照れたように目をそらしたけど、すぐに嬉しそうに微笑んだ。


この日から未空は、〝大事な家族〟でもあり、〝大事なカノジョ〟になった。

〝ただ、隣に居てほしい〟のは、もちろんだけど、俺の願いは、ただひとつ。


〝ずっと隣に居てほしい〟___。



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