きみに、好きと言える日まで。


耀くんらしくて笑えた。

……部活、大変そうだもんね。



「うん。いいよ」



耀くんは陸上部。

拓弥くんと共に、短距離走者として日々汗を流している。



「良かったー。サンキューな、まひ」



とにかく部活が大好きでたまらない。

あたしの目にはそう映っている。


放課後になると、誰よりも真っ先にグラウンドへ飛び出して行くから。


……まだ4月なのに、日に焼けたその顔がいい証拠。



「今度お礼するな、何がいいか考えといて!」

「うん」



焼けた肌から零れる白い歯。


この笑顔も、あたしは……好き。



「あれ……」



ふと。

その顔が一瞬曇って



「ここ、どうしたの?」



あたしのおでこに、触れた。

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