唯一の愛をキミに【完】
飲み会は好きな方だけれど、合コンとなると話は別で。


酒の匂いタバコの匂いプラス複数の混ざり合った女たちの香水の匂いが気分が悪くなる。


唯ちゃんに合コン行くって言った方がいいのかな?


…ま、いいか。


携帯を出して唯ちゃんのアドレスを出すけれど、いちいち報告なんてしなくていいだろうと俺は携帯を鞄に仕舞った。




「やった!哲くんの隣ゲット!」


駅前の最近出来たばかりの居酒屋で飲み初めて一時間、程よくみんな酒が入ってお馴染みの席替え。


ビール片手に他の男メンバーと話をしていたら綺麗に巻いた金色の髪をかきあげながら猫目の女が隣に座ってきた。


「大志くんに哲くんを連れてきてって頼んだの、あたしなんだよ?」


「そうなんだ」


ニコッと笑いかけるけど心の中で「お前誰だよ」と悪態を吐く。
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