初めての相手は無愛想上司


まさかと思ったら、
やはり伊藤さんは私の腕に絡みついてきた


「みんなで食べましょう」


そう言いながら私を引っ張る
大きなテーブルに椅子を集め
私の前に伊藤さん、
伊藤さんの隣に蔵田課長…と

いじめか、と思ってしまう
カモフラージュなんだとは思うが
さすがに辛い気がする


けど断りきれない自分もいて
しかたなく席に座ろうとしたら
エレベーターが着く音がした

昼休みに誰だよ、と
お弁当を置きカウンターへと行く


あっ…、
そこには小山課長が立っていた


『…あ、どのファイル…ですか?』


ファイルを借りに来たのかと声をかけたが、どうやら違うらしい
だって、右手には
私が朝、手渡したお弁当が入った袋を持っていたから


もう食べた…とか?
もしかして美味しくなかった?と
不安な気持ちもあった
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