初めての相手は無愛想上司
チクリとしたモノが
なんだったのか気になり
トイレに寄ってから戻る事にした
伊藤さんに指摘された
キスマークを確認する
何度見ても…ある
ため息をつきながら
キスマークとは逆側
先ほどの痛みの部分を確認する
ひぃっ!
キスマークと同じような赤い痣がある
ま、ま、ま、まさかっ
あの一瞬で…また、キスマーク?
なかった事にしたい、
咄嗟に新たに付けられた
キスマークを手で覆った
どうする?
これじゃ、髪をまとめるなんて無理
片方だけなら
隠れるようにまとめたらいい
けど両方にある
まさか、この歳でお下げ…なんて嫌だ
結局、髪を下ろしまま
業務に就くしかなかった
どんな人なんですかぁ?と
伊藤さんには聞かれっぱなし、
それを興味津々で
耳をダンボにして聞いている蔵田課長
入社して初めて
注目を浴びる事になった
……と、言っても二人だけだ