初めての相手は無愛想上司
「いやー、試しに付き合えばって言ったけど、まさか本気で付き合うなんて思ってもみなかった」
陽子は楽しそうにビールを口にした
まさか、と背筋が凍る
『ま、まってよ、私、付き合ってないよ?断るつもりだから』
グラスを置いて陽子に伝えたが
何言ってるの?という感じの陽子
「断る理由はないでしょ?小夜が女として輝ける絶好のチャンスなのよっ?いい?相手は小山課長なの!社内でも独身エリートコース真っしぐらのイケメンの小山課長!!そんな人が根暗の小夜に告ってきたんだよ?これを逃したら、アンタ一生一人だわ!そして孤独死よっ!」
身を乗り出し熱弁する陽子
まさかそこまで言われると
思ってもみなかった私
孤独死、の言葉に冷や汗が出る
一人が嫌ってわけでは無い
ただ、孤独死という言葉に
忘れられない人がいる