憑代の柩
「馨は俺のことは友人だとしか思ってなかった。

 でも、あの日――

 俺に妹の話をして泣いて。

 俺はいいタイミングだと思った。

 待っていたんだ。
 切り出すときを。

 俺はもうすべてを知っていて、秋川に金を渡していた」

 あくどい……。

 が、なんだか憎めなかった。

 馨に対する強い想いが伝わってくるせいか。

 そこまでしても、結局、弟のように思っていた衛に、恋人を取られたせいか。


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