嘘の恋愛進行中【完】



「行くよ」



望月慧は私の手を握って歩き出した





少ししたところで、望月慧は速水楓がいないことを確認し


「あの子は気おつけたほうがいい」



と言ってくれた


もちろん私だってそのつもりだった




「うん。なんだか私、速水さんのこと苦手…」



「ぽいなww
亜樹は実際サバサバしてるとこあるし、ああやって男受け狙ってるやつは、好まなさそう」



あははっ


と笑う望月慧だけど、まさしく私が思っていることを的中させた



「なんだか裏がありそうだし、何かあったらすぐに俺に言うんだぞ?」



「ありがと」





望月慧はいつも私のことを心配してくれる


今だって、すごい笑顔でそう言ってくれている







そんな彼に心配なんてかけたくない







そう思っていたから








私は何があっても








彼だけには何も言わなかった






< 74 / 119 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop