俺様上司と身代わり恋愛!?


「すみません、せっかくチケットまでくれて応援してくれた上、電話でも迷惑かけちゃったのに」

へへっと笑いながら謝ると、課長は「本当だよな」とやれやれといった風に言ってから「チケットは? 今持ってるなら寄こせ」と聞く。

「あ、はい。持ってます」

スマホを鞄にしまい、代わりに表ポケットに入れてあるチケットを取り出した。

課長は確かアクション映画はうるさくて嫌いだって言っていたけど、気が変わったのかなと思いながらチケットを封筒ごと返すと。

課長は、中から一枚とった後、残りの一枚を私に差し出した。

「次に会う時、付き合ってやる」

「え……でも、アクション映画苦手なんですよね?」と、驚いて見上げた私に、課長が目を合わせる。
課長の向こう側では、空はもうすっかり明るさを失くし、代わりに星を浮かべていた。

課長が「見れないわけじゃない」と言うのを聞いて、「でも……」と言葉を詰まらせる。

目を合わせたまま何も言えずにいると、目元をしかめた課長に「なんだよ、ハッキリ言え」と怒られてしまう。

だから……一度目を泳がせた後、課長をじっと見上げて、ハッキリした返事ができない理由を口にした。

「無理させて、嫌われたくないんです」
「……は?」
「ですから……私、課長に嫌われたくないんです」



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