俺様上司と身代わり恋愛!?
「分かる。難しいよね。仕事を教えるだけならいいけど、言い方だとかが偉そうに感じ取られちゃうと、相手としては気に入らないだろうし。
先輩後輩の関係性なんだからそこは仕方ないにしても、主従関係みたいにはしたくないしね。
恐怖政治みたいになるのは違うし」
「そうなんですよね……。こっちは普通に言ってるつもりなのに、やけに過敏にとられちゃうから何も言えなくなっちゃって。
それでも教えないと嫌な思いするのは向こうだからと思って、勇気出して注意すれば嫌な顔されちゃうし……」
はぁ、とふたりのため息が重なり。
それにお互い気づいて、思わず笑みがこぼれる。
「なんか同じで嬉しいです。あんまりうまくいかなくて少し悩んでたんですけど、志田さんも同じで安心しました」
なんとなく、人気があるだけあってどこかで雲の上の人みたいに思っていたけれど。
話してみると同じで、げんなりして苦笑いを浮かべてコーチャーに悩む姿を見て、それまでの緊張がいつの間にか解けていた。
だから安心して笑うと、志田さんが「俺も」と笑う。
「融資課はベテランが多くてさ。だから、こんな風に同じくらいの年で、同じ立場の人と話す機会って少なくて」
そこまで言った後、「あっ」と、私を見た志田さんが慌てたように続ける。