俺様上司と身代わり恋愛!?
「びっくりしました」と笑ったけれど、志田さんは今度は笑わなかった。
もう過去の話だし気を使わせるために話したわけでもないから、「もちろん、その後ずっととかってわけではなかったですけどね」とフォローを入れつつ続ける。
「そういう、本当にちょっとしたくだらない事で、ひどい事言われちゃったりするのはどうかとは思いますけど。
割とずっとそういう環境の中で過ごしてきたので、今更ちょっとつつかれても大丈夫ですよって話です」
そう笑うと、志田さんは少し安心してくれたのか、険しい表情は消していた。
「じゃあやっぱり茅野さんは強いんだね。女の子って普通、そういうのされると泣いたり気にしたりするものだと思うから」
「だから、すごいよ」とにこりと微笑まれて……ははっと誤魔化すように笑ってから、パスタを巻きつけたフォークを口に運んだ。
会社のネットワークというものはやっぱりすごいな。
そう思い知らされたのは、翌日の昼休みだった。
昨日の夜、志田さんとご飯食べた事が噂になったりして、というような話は確かにした。
けれど、それがまさか事実になるだなんて、その時は思っていなかった……のに。
昼休み食堂に行った時、なんか周りから視線を感じる気がするなーと気付いて。
でも気のせいかなと思いながらも、更衣室に戻りメイクを直していた時、感じた視線が気のせいじゃなかったんだと確信した。