俺様上司と身代わり恋愛!?
「大丈夫ですよ。変な事言われても、私そういうの慣れてるので」
「慣れてるって……なんで?」
「短大の頃とか、私、そういう噂立てられる事多かったんです。まぁ、噂っていうか事実もあったんですけどね。
〝馬鹿な女〟とか〝調子に乗ってる〟だとか……その辺の言葉なら言われ慣れてるから、今更言われたところで大丈夫です」
そう笑うと、志田さんは尚も手を止めたまま驚いたように私を見て……それから、ははっと笑った。
「頼もしいね。茅野さん」
「いえ、なんか変な免疫できてるだけです」
付き合っていた人がダメ男だったからっていうのもひとつの理由かもしれないけれど、ほとんど自業自得のようなものだし。
何されても文句が言えずにヘラヘラしているのを見て、今野さんみたいにイライラさせてしまったせいだ。
ああ、それと……と不意に昔の事を思い出し口にする。
「小学校六年生の時、クラスで劇をしたんです。魔法を使える女の子がひとり立ちするために住んでいた街を出て、ひとりで新しく住む街を探すお話。
赤いリボンを頭につけて、真っ黒な服着て、黒猫と一緒に箒に乗って出発するんです」
「知ってますか?」と聞くと、もちろん、と笑顔を返された。
「その中で、私は女の子のお母さん役をしたんです。配役は自由に決めていいって話だったから、台詞もそんなに多くないしと思って。
練習して、劇は無事終わって……その後から急にクラスのほとんどの女子に無視された事があって」
「え……なんで?」
「女の子のお父さん役をやってた男子が、クラスでも人気が高い男子だったかららしいです。
その男子と夫婦役なんてって」