俺様上司と身代わり恋愛!?


「一応、横浜行ってたっていう証拠」
「あー、そっか。ありがとう。可愛いね、このアヒル」

「じゃあ私もお土産」と、美絵が鞄の中からゴソゴソと取り出したのは、透明なビニールに入ったお守り。

普通に神社で売っているような形のお守りだけど……。
通常〝御守り〟と刺繍してある部分にイケメンのイラストが刺繍してある。

元の絵は知らないけど、だいぶデフォルメされているのか目も大きいしやたらとキラキラしているイケメンがこちらに向かってウインクしていた。

ウインクから飛び出したピンク色のハートには〝良縁〟と書かれているけれど……つまりこれは縁結びの御守りって事なんだろうか。

「それね、結構競争率高いんだよー。でもゆずをダメンズ運気から抜け出させるために頑張って買ってきたの」
「……ありがと。これ、どこで?」

「昨日少し遠くのアニメ関係のショップまで行ってきたからそこで。
すごかったよー。規模がこの辺のお店よりもだいぶ大きくてね。私も紙袋が両手いっぱいになるくらい買ってきちゃった」

ニコニコとしながらオタク活動の報告をする美絵に「ああ、そう……」と呆れながら返事をしてからハッとする。

「両手いっぱいに荷物って、そんなの持ち帰ったらお父さんにバレ……」
「大丈夫。駅のコインロッカーに預けてあるから。明日お父さん家空けるからその時に持ち帰るし心配しないで。
今までだってずっと隠し通せてきたし、抜け目はないの」


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