夜の図書室で
 名無しのままだったね。


 名前も、いつ死んだのかも、生前なにがあったのかもわからないけど、わからないままで終わって良かったよ。


 なにかを知ってしまったら、さらに知りたくなって、そして、また余計なことを言って、傷つけたかもしれない。


「生きていればきっといいことがある」この言葉だって、生きていないナナちゃんには使えない。


 亡くなった人にしてあげられることなんて、結局、生きている人の自己満足にしかならないのかもしれない。
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