夜の図書室で
「つまんない、なにもない人生なんて。思いだしたくないことのほうが多かったかもしれないけどさ。“なにもない”なんて。それは違うと思う」


 下手だなー。


 会話に慣れてない人が、コミュニケーションができないからって、どこかの本に書いてあったアドバイスを自分なりに言い換えてしゃべっているような。


「そんなこと言われても……」


 まだなにか言いたそうな顔をしていた。


 もし、僕がナナちゃんのいま言ったことに続けるとしたら、「あたしもう、死んでるんだし」だろう。
< 71 / 108 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop