nine hundred Lies【暗詩】

#059  ミザル



近すぎて見えない

と云うけれど

本当は違うね


見えてるんだ、ちゃんと


君の心が曇ってゆく様を

僕には見えないよう

霧を蒔き散らして

いつの間にか出来た死角に

君は鍵をかけた

僕には見えないよう

心を閉ざしてゆく様が

近すぎて 本当は

よく見えていて

見えないふりをしたくて


閉ざした心の鍵を

次は誰に渡すのだろうと

そんなことばかり

考えるよ


僕にはくれない

その鍵を

失くしてしまえばいいのにな

そしたら 君は

ずっと心を閉ざしたままで

僕のそばにいてくれるのだろうか


そんな僕の我が侭なんか

神様だって 君だって

聞いてくれる訳はないのだろうけど


僕の目は見え過ぎて

それを拒むことしか

出来やしないんだ








【#059  ミザル】
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