だから、俺にしとけよ。
傷ついた心が入谷くんによって、少しだけ修復される。
「入谷、やるじゃん」
歩美ちゃんの言葉は頭に入らず、窓側でクラスメイトと話す入谷くんをチラチラと見ていた。
だけど、これだけじゃ終わらなかった。
その日は教科書にいたずら書きをされていたり、どこからかごみを投げて当てられたり。
近くに犯人がいるってことは分かった。
けど、それ以上は何も手がかりがない。
私が1人でいる時を狙ってくるからたちが悪い。