だから、俺にしとけよ。




手を差し出すと伊都が俺の手に自分のを重ねてくれる。


そのことに実はいつもホッとしてた。



俺ってこんなに女々しいやつだったんだな。




「昨日のホラー映画のせいで、お風呂に入るの怖かったんだからね!」


「そっか」


「あー笑ったな!もう京ちゃんのアホ!」



伊都はかわいいよ。

そうやって頬を膨らませるのも、わりと暴言吐いたりするところも。


全部全部かわいい。



でも、無理しているのが分かるから。


何年一緒にいたと思ってんの?


何年幼なじみやってきたと思ってんの?




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