だから、俺にしとけよ。
いろんな女と遊ぶことなんてもうできない。
好きな人じゃないと意味がないって分かった。
「恋愛感情を理解できただけで十分だよ。
俺を変えてくれてありがとう。
ずっとそばで支えてくれてありがとう」
「うぇっ……」
「伊都の泣き顔見るの久しぶりだな」
あんまり俺の前じゃ泣かないから。
陰ではたくさん泣いてたんだろうか。
伊都の涙を拭いながら、ふっと笑う。
「あいつと、幸せになってよ」
本当は俺が幸せにしてやりたいけど、俺じゃもう伊都を心の底から幸せにはできないだろ?
だからせめて、大好きな初恋の相手の幸せを願いたい。