未熟女でも大人になっていいですか?
空になったテーブルの上にティーカップが置かれ、薄茶色に焼かれたチーズケーキの乗った皿が添えられる。
(…そうか。これを食べに来たと思えば良かったんだ…)
1人納得して頷いた。
「ごゆっくりどうぞ」
女店員は伝票を裏返して置き、さっきと同じ様にスカートの裾を翻して行く。
(さっさと食べて帰ろう。此処にはもう用はないんだし)
湯気の立つ紅茶にレモンの輪切りを浮かべ、明るくなっていく色の変化を楽しんだ。
直ぐに引き上げれば良かったものを、知らずにそのままにしてケーキを頬張る。
「…んっ!美味しいっ!」
思わず声が出てしまった。
チーズケーキは評判通りの濃厚な味わいだった。
無言でいた向かい側の男が私のことを見つめ、微かに笑みを浮かべる。
「貴方も頂いてみたら?評判になるのも頷ける味よ」
情けなかった気持ちも忘れて勧める。
仙道 保は「そうですね」と声を出し、金色に光るフォークを取り上げた。
半分くらいの大きさで切り分け、「どうぞ」と私に皿を向ける。
「えっ!?」
きょとんとして彼の顔を見た。
「貴女があまりに美味しそうに食べるから半分差し上げます。僕はこんな甘い物苦手なので」
そう言うと、小さな先端部分を口に入れて無くしてしまう。
もぐもぐと噛み締めてコーヒーを啜り、「まあまあだけど甘いな」と呟いた。
「そ、そう?とても美味しいわよ」
(…そうか。これを食べに来たと思えば良かったんだ…)
1人納得して頷いた。
「ごゆっくりどうぞ」
女店員は伝票を裏返して置き、さっきと同じ様にスカートの裾を翻して行く。
(さっさと食べて帰ろう。此処にはもう用はないんだし)
湯気の立つ紅茶にレモンの輪切りを浮かべ、明るくなっていく色の変化を楽しんだ。
直ぐに引き上げれば良かったものを、知らずにそのままにしてケーキを頬張る。
「…んっ!美味しいっ!」
思わず声が出てしまった。
チーズケーキは評判通りの濃厚な味わいだった。
無言でいた向かい側の男が私のことを見つめ、微かに笑みを浮かべる。
「貴方も頂いてみたら?評判になるのも頷ける味よ」
情けなかった気持ちも忘れて勧める。
仙道 保は「そうですね」と声を出し、金色に光るフォークを取り上げた。
半分くらいの大きさで切り分け、「どうぞ」と私に皿を向ける。
「えっ!?」
きょとんとして彼の顔を見た。
「貴女があまりに美味しそうに食べるから半分差し上げます。僕はこんな甘い物苦手なので」
そう言うと、小さな先端部分を口に入れて無くしてしまう。
もぐもぐと噛み締めてコーヒーを啜り、「まあまあだけど甘いな」と呟いた。
「そ、そう?とても美味しいわよ」