未熟女でも大人になっていいですか?
私も覚えがなければ、この手紙を受け取ったりしなかった。でも、幸いなことに聞いたことのある名前だった為、勘違いをして受け取ってしまったんです。
中身を読ませて頂きながら(どうもおかしな内容だな…)と思いつつ、父に「仙道さんという方を知ってるの?」と尋ねてみたら……」
情けなさや恥ずかしさが急に襲ってきた。
スカートの上でぎゅっと手を握り締め、それから続きを話した。
「『何のことだ?』と聞き返され慌てました。もしかしたら何かの間違いで届いたのではないかと考え、…でも、それを確かめるには此処へ来る以外の方法がありません。
おっちょこちょいの貴方が、ご自分の住所も書かずに手紙を出しておられたので」
膝の上で握り締めてた手を出して封筒を裏返した。
自分の名前しか書かれていない封書を眺めつつ、彼の顔がますます固く締まっていく。
「……その手紙はお返しします。次は間違えずにご本人に送って差し上げて下さい」
情けない気持ちは更に加速していく。
自分ではない女性と会おうと決めていた男と、これ以上一緒にいるのも嫌だと思った。
「じゃあ私はこれで……」
立ち上がろうとしたけど躊躇った。
「お待たせ致しました」
斜め後ろから先程の女店員の声がして振り返った。
仙道 保は急いで手紙を取り下げ、何事もなかった様に装う。
中身を読ませて頂きながら(どうもおかしな内容だな…)と思いつつ、父に「仙道さんという方を知ってるの?」と尋ねてみたら……」
情けなさや恥ずかしさが急に襲ってきた。
スカートの上でぎゅっと手を握り締め、それから続きを話した。
「『何のことだ?』と聞き返され慌てました。もしかしたら何かの間違いで届いたのではないかと考え、…でも、それを確かめるには此処へ来る以外の方法がありません。
おっちょこちょいの貴方が、ご自分の住所も書かずに手紙を出しておられたので」
膝の上で握り締めてた手を出して封筒を裏返した。
自分の名前しか書かれていない封書を眺めつつ、彼の顔がますます固く締まっていく。
「……その手紙はお返しします。次は間違えずにご本人に送って差し上げて下さい」
情けない気持ちは更に加速していく。
自分ではない女性と会おうと決めていた男と、これ以上一緒にいるのも嫌だと思った。
「じゃあ私はこれで……」
立ち上がろうとしたけど躊躇った。
「お待たせ致しました」
斜め後ろから先程の女店員の声がして振り返った。
仙道 保は急いで手紙を取り下げ、何事もなかった様に装う。