アイツなんて大っ嫌い
第1章

お見合い






〜 実 視点 〜









「初めまして……
檜山 陸斗といいます……」





「初めまして……
梶山 実です……」










私の目の前に、男がいて……
私とその男は、お見合いをさせられていた









き、気まずい……

何これ………


超気まずいんだけど…っ!!










私と男は、何も話さないまま……

30分経とうとしていた










あー、もう……!

言っちゃえ……っ!!










「あ、あの……!!」




「梶山さんは、このお見合いに
自分から両親に頼みましたか……?

それとも、無理矢理この場に……?」










男は、私の言葉を遮ると……

私に質問してきた










えっ……?

これ言ってもいいの……?



いや、言うしかない!!

だって、もう限界だから!!









「私は、自分からではなく
無理矢理の方です

だから、あなたとお見合いする気はありません」









よし…っ!

言ってやった!!









「あー、良かった〜
あんたも俺と同じで〜」




「えっ…………?」









男は、さっきまでの落ち着いた雰囲気が嘘のように、乱暴な口調や態度になった

私は、目の前の男の豹変ぶりに驚き
固まっていた








「親の友達の娘と見合いしろって、急に言われて

冗談じゃないとか思ってたけど……
あんたもお見合い反対派で良かったわ


これで、心置きなく帰れるよな?
じゃあね、梶山 実さん♡」









男は、ネクタイを外しながら
ニコニコと笑って、そう私に言うと……

私を残して、部屋から出て行った










はあ!?

な、何あれ……!?


なんなのアイツ……っ!!

普通、女を残して先出る!?



いや、お見合いが成立しなくて済んだのはいいけど……

なんかムカつく……っ!!









私は、アイツともう会うことはないと思っていたが……


まさか……




また会うことになるなんて……っ!!






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