好きだけど、近づかないでくださいっ!
「はい。私、スキサケを克服したかもしれないんです。実は康介くんと課長、どちらにもスキサケが発動していたんです。でも、今日一日、一緒にいて避けたい気持ちよりももっともっと一緒にいたいと思えたんです」

こんな気持ちは初めて。好きな人にこんな風に伝えることも、生まれて初めて。きっと康介くんは喜んでくれるはず。

「本当に?それは一時的なものだろ?こうやって手錠で繋いでるから。だからそう思うだけ」

「えっ?」

「そんな簡単なものじゃない。きっとこの手錠を外せば、お前は俺から逃げるよ。スキサケが始まる。でも、ちゃんと俺という人間が一人だと認識してくれたのは、嬉しい。だから・・・」


てっきり喜んでくれると思っていたので康介くんの言葉に、頭が混乱した。

そんな私に追い打ちを掛けるように彼は、こう言い放った。



「俺が今度はお前をスキサケ対象にするよ」
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