エリート上司と偽りの恋
「え~?ほんとに~?」

亜子さんは玉子焼きを持ったまま疑いの目で私を見てる。

「なんですかその目は!やっぱ好きになるなら顔より性格のいい人ですよ!大事なのは性格です!」

顔だけで好きになって痛い目みてきたんだから、今度こそ幸せになりたい!


「篠宮主任て性格悪いの?」

「……え?そ、それはまだ分かりません」

「ふーん。ていうか、顔で好きになるってそんなにダメなことかな?」


意外だった。亜子さんなら顔より性格って言ってくれると思ってたから。


「そりゃー性格が最悪な男なんて問題外だけどさ、好みの顔の男と付き合える方がいいに決まってるじゃん。それにさ、性格なんて付き合ってから分かる部分の方が多いでしょ」


さっきから亜子さんの言うことが最もすぎて、全然言い返せない。


私は亜子さんに、なんて言われるのを期待してたんだろう。

〝主任はやめておきな、からかわれてるんだよ〟そう言われたかったんだ。


私を好きだなんて、どうしても信じられないから。このまま主任と距離が近づいてしまったら、私は確実に主任を好きになる。

それが怖いんだ……。


「だいたいさ、〝私顔より性格重視だから~〟なんていう女よくいるけど、信じられないんだよね。ハッキリ言えば、顔も性格も大事だよ!って感じかな」


「う……亜子さんて、ほんと正直ですよね」

私の言葉にニッコリ笑った亜子さんは、最後に残ったハンバーグを口に運んだ。



< 27 / 82 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop