エリート上司と偽りの恋
昼休みを終えて仕事に戻ると、フロアには営業事務のメンバーしかいなかった。

そういえば午後の会議までに……、って主任が朝から怒ってたっけ。


私は気持ちを切り替えてパソコンに向かい、仕事を続けた。


ーートゥルル、トゥルル


「加藤さん、主任から内線です」

「主任からですか?」

今は会議中じゃ……。


私は鈴木さんが回してくれた内線を取った。

「はい、加藤ですが」

『加藤さん悪いんだけど、今から会議室きて』

「……え?」

『朝描いてたメモ用紙持って、第一会議室だから』

「え、ちょっと待ってくださ……」

『じゃー宜しく』


電話、切れちゃった。

どうしよう……って悩んでる場合じゃない。とりあえず、行かなきゃ。

あっ、メモ。


私は主任に言われた通り、今朝描いたメモ用紙を持って会議室に向かった。


ーーコンコン

「失礼します」

ドアを開けた瞬間、中にいる全員の視線が私に向けられる。

うっ……なんか怖い。


「仕事中に悪かったね。とりあえずそこ座ってて」

主任が指差した、ひとつだけ空いているパイプ椅子に恐る恐る腰掛けた。

てっきりお茶配るんだと思ってたけど、違うのかな?

なにがなんだか分からない私は、とにかくその場に座り会議の内容を聞いていた。


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