完璧なカノジョの秘密
ー夏祭り当日。
私は鏡前で、自分の姿をチェックする。
白地の流水秋草と、紫の金魚の柄の大人っぽい浴衣をチョイスした。
「髪伸びたわねー、まりあ」
「そ、そうかなぁ?」
そう言って、お母さん…花園 静紀(はなぞの しずき)は、私の髪を横に流すように三つ編みに結っていく。
剣道の師であるけれど、こうして見ると、自分で言うのもなんだが美人だし、あんな鬼のような剣さばきをするようには見えない。
そして、耳の上に、白いハナミズキの花飾りをつけてくれた。
「まりあの彼氏なんて、どんな子よ?」
「え!?」
私、彼氏って言ってないのに、なんでお母さんにはバレバレなんだろ??
私は驚いて、鏡越しにお母さんを見つめた。
「あなたの母親なのよ?分からないわけないじゃない。幸せそうな顔、してるわ」
「あ……それは、その通りだけどさ」
すごく、幸せ。
こうやって、清人の為に可愛くなろうってお洒落する時間も、全部が充実してる。
あぁ、これがいわゆるリア充??
「お父さんは悲しい」
「ひぃっ!!」
そんな事を考えていると、ヌッとお父さんが現れる。
気配消しすぎ、どこから沸いて出たの!?
そう、この眼鏡をかけた男、花園 総司朗(はなぞの そうじろう)が私のお父さん。
大学教授で、普段も書斎にこもりっぱなしだが、たまに寂しくなると、顔を出しては私に構ってくる。