恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》

王座をかけて

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もう、今までの私じゃない。

誰かの影に隠れて、縮こまっていた私じゃない。

地味で目立たない私だけど、先輩の力になりたい。

だって、好きなんだもの。

私は手の甲で涙をグイッと拭うと、思いきり駆け出した。

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「翠狼っ!!」

あの、地下室のある大きな屋敷なら、覚えていた。

私はなんとかタクシーを捕まえると翠狼の屋敷へと向かい、そのインターホンを連打した。

「翠狼、翠狼っ!」
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