恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》
先輩はそれでも容赦せず、凰狼の喉元に食らいつくと、一気にその身体を放り投げた。

ぶつかった竹がしなり、風が巻き起こる。

「どうした、凰狼。お前の力はその程度か」

全身に光をまとったまま、先輩は冷たく凰狼を見下ろした。

「覚悟しろ。真神の元へ送ってやる!」

先輩……ダメだよ、そんなのダメ……。

「……クッ!」

起き上がることの出来ない凰狼が、無念の表情を浮かべて歯を食い縛った。

先輩が、止めをさそうと大きく口を開ける。

「ダメだよ、せんぱ……」

ああ、腕が千切れそうだ。

痛くて、もうダメ。

寒い……。

先輩……。
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