恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》
vol.9

恋した彼はプラチナウルフ

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八月十八日。

あの日から、私は先輩に会っていなかった。

先輩からの連絡もなかったし、決心が揺らぐのが嫌で、私からも連絡を取らなかった。

『今晩、お前の家に行く』

だから、先輩からこの短いラインが送られてきた時は胸がキュッと軋んだ。

そう、今日は《満月の儀式》だ。

形だけだけど、私は先輩の許嫁を演じる。

細かな打ち合わせは無かった。

多分許嫁らしく、黙って先輩の隣にいればいいんだろうな。

ただ、掌にナイフブッ刺して、何かに血を滴らしたりとかがないことを祈ろう……。
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