恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》
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『雪野翔先輩へ
先輩、私はもう大丈夫なので自宅へ帰ります。お世話になりました。
凄く楽しかったです。
一生、先輩の秘密は守りますから安心してください。
それから、次の美術教室の課題などで忙しくて会うことが出来なくなりますが、満月の儀式には参加しますから安心してください。色々とありがとうございました』

ああ、ペン習字とか、習っていたら良かったなぁ。

私は手帳をカットして先輩へ短い手紙を書くと、ダイニングテーブルに置いて家を出た。

鍵は……いつもの場所に置いて。

泣かない、泣かない。

泣かない、泣かない。

何度も呟いたけど私の呪文は全然効かなくて、胸が痛くて辛かった。

でも、これでいい。

苦しめたくないもん。

人狼王になった先輩を、私は遠くから応援していよう。

先輩が本当に好きだから。
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