恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》
「俺の相手はお前しか考えられない」

私の言葉も待たずに、先輩は更に続けた。

「すぐにとは言わない。だから」

待って、先輩。

今度は、私が先輩の言葉を遮った。

思いきり背伸びをして、彼の唇にキスをして。

だって、もう我慢できない。

先輩が好きで好きでたまらない。

物凄く物凄く恋しくて、この気持ちをいっぱい伝えたい。

「先輩、先輩」

両腕を先輩の首に絡めてギュウッと抱きつくと、意外にも先輩は、困ったよう眼をそらした。

「お前、なに考えてるんだ。止まらなくなったらどうするんだ」

「何がですか?」

「……」

私は先輩を見上げてニコニコと笑った。

だってこんなの初めてで、凄く嬉しくて。

だから、だから。

「ねえ先輩。すぐにじゃなくていいので、私を先輩の許嫁にしてください。ずっとずっと、先輩の傍にいさせてください」
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