恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》
愛華先輩と私に接点なんかまるでない。

ということは絶対に雪野翔の事だ。

私は大きく息を吸い込むと教室を出た。

●●●●●

「夏本さん?」

「……はい……」

二階の渡り廊下には何人も人がいて、私達を気に止める生徒はいなかった。

愛華……佐川愛華先輩は、私を真正面から見つめた。

物っ凄い勝ち気なギャル系だったらどうしようと思ったけど、愛華先輩はとても女子力の高い可愛い感じの人だった。

「突然ごめんね。でも、聞きたいことがあるの。……雪野君の事なんだけど」

やっぱりだ。

どうしよう、どうしよう!!
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