御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

「なっ、なんでそういうことサラッとおっしゃるんですかっ……」


 世界中の女が自分を好きになるとでも思っているのだろうか。

 冗談に決まっているのだが、そんなことを言われると、改めて副社長を見てしまう。

 まっすぐに目をそらさない、視線がぶつかる。
 その漆黒の瞳に熱を感じて、頰がカッと熱くなる。


「からかわないでください……」


(そりゃ確かに、副社長を見てカッコいいとか素敵とか思わない女子はいないかもしれないけど……。だけど私は、副社長だろうがなんだろうが、無理だ。もう恋なんてできない……。したくない……。)


 美月はキリッとした表情で前を向き、背筋を伸ばした。


(仕事仕事。切り替えなきゃ……。)




「副社長、見えてきました。あちらですね」


 海岸沿いの丘を登ると、南国の植物が鬱蒼と茂る中に建物が見える。目指す山邑リゾートである。




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