御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

「先日は美味しいお菓子をありがとうございました」


 高すぎず、低すぎず、聞くだけで心が落ち着いてくる、優しい声である。
 穏やかな口調は、あの時と変わっていない。



「うちの部長、森田さんのファンだから、わざわざ自分で持って行ったのよ。なにか変なことされなかった?」


 一瞬、彼女がセクハラでもされているのかと雪成はヒヤッとしたが、そうではないらしい。


「娘さんが私の中学のひとつ後輩で、顔見知りなんですよ。だから娘のような、マスコット的な扱いです。お菓子とか食べさせたがったりするんです」


(なんだ……そうなのか。)

 雪成はホッと胸をなで下ろす。


 だが確かに、彼女には人を和ませるような不思議な魅力がある。



< 268 / 323 >

この作品をシェア

pagetop