御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~
雪成は思い出したようにクスッと笑う。
「そうそう、ハジメなんか、かくれんぼの最中に蔵に閉じ込められて、誘拐騒ぎにもなったことがある」
「それはそれは……」
ページをめくると、ハジメ以外にも見慣れた顔があった。菜穂である。
だが菜穂を見ても、もう胸はざわつかない。
確かに昔、恋人同士だった時期があるのだろうが、それ以前に、彼女は雪成の大事な幼馴染のひとりなのだと、思えるようになった。
いまはただ、彼女が元気になってくれたらと思うばかりだ。
「美月……」
「大丈夫ですよ。こういう時期を経て、大人になったんだなぁって思うと、やっぱり私は、雪成さんの過去も全部、今と同じように大事にしたいと思います」
「俺を……信じてくれるのか?」
美月の体の前に回る腕に、力がこもるのがわかる。
「信じさせてくれたのは、雪成さんです。たくさん好きって言ってもらえて、愛してもらえて、雪成さんが私に自信をくれたんです」