御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~
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山邑リゾートとの商談を終え、雪成と美月はタクシーでビジネスホテルへと向かっていた。
現在の時間は八時半である。
雪成はラフな麻のジャケット姿、美月はシックなワンピースだ。
「少し遅れたな」
「そうですね」
(とうとうこの時間が来てしまった……。)
美月の心臓はかれこれ二時間くらい前からドキドキしっぱなしである。
「あの……今更ですが、本当に、恋人同士に見えるんでしょうか……。どう考えても不釣り合いのような気がして」
「美月」
膝の上に置いていた手の上に雪成の手が重なる。