永すぎた春に終止符を
タクシーを降りて、私を支えて保田さんが、部屋まで連れて来ててくれた。

部屋のある5階まで行くと、部屋の前に誰か立っているのが見えた。


保田さんも気づいていう。
「あれ、知り合い?」

「ん?そうみたい」

彼女が、私たちのほうに近づいてくる。
不機嫌なのが離れてても歩き方で分かる。


「梨沙、何やってるの?」

部屋の前で立ってた女は、すらっとした黒髪の美人だ。さっと冷たい視線を向けてきた。


「里美?どうしてここに?」


「来たらまずかった?」
いきなりとげとげしいね。やっぱり怒ってるんだ。


「まずくはないけど、電話くれればもっと早く帰ったのに」
怒ってる里美に効く薬なんて無いけど。


「本当ね。電話しとけば、こんなふうに鉢合わせること無かったね」



相当に機嫌悪そうだ


「じゃあ、牧山、俺はこれで失礼するから」
保田さんは、里美にも挨拶するともう一度じゃあなといって帰って行った。
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