永すぎた春に終止符を
里美の顔を見て、酔いなんかいっぺんに醒めてしまった。
「どうぞ、入って」
私は、締め切った部屋を開け、外の空気と入れ替えた。
ほてった顔に外のひんやりした空気は心地よい。
いつの間にか外は、雨が降っていた。
空気は、湿気を含んでいて私は、部屋の換気をあきらめ、すぐに窓を閉めた。
「何度も電話したのよ」
「ごめん。気づかなかった」
電話に出なかった程度の怒りにしては、大袈裟だね。
里美、なんかあった?
里美は、拓海とはまったく逆で、素直じゃない。
一度に聞いても、絶対に本心を言わないのだ。
「どうして気づけないの?何で出なかったの?梨沙、最近、自分のことばかり考えてるじゃない」
「店にいて、周りがうるさかったから取れなかっただけ。他にはないよ」